情報の氾濫と断片化

Bing AI サーチが便利だ。情報の深堀はしてくれないが,膨大なオンライン情報の中から比較的ピンポイントで必要な情報を探してきてくれる。

SEOという言葉はまだ知らない人も多いはずだ。Search Engine Optimization の略で,検索エンジン対策ということだ。すっかり私たちの生活の一部になってしまっているGoogleは,そのアルゴリズムが複雑なので,SEOが難しく,それだけにその掲載順位には信頼がおけると考えらた時期があったが,最近はそうではない。

SEOを施したサイトがどの検索エンジンでも検索上位にくる。そしてGoogleなどは広告費を払ったサイトが最上部に表示される。私たちは,検索結果最上部をクリックして読む。

ところが,情報の送り手のそのページ作成意図は,検索者の探している情報を提供することではない場合が,多くなってしまった。たいていは何かの勧誘なのだ。そこで私たちはうんざりして,Twitter検索に頼るようになっていた。

Twitterは巨大なレビュー/口コミサイトだった。ところが,これを世界1の金持ちになりあがった男がずたずたにした。そこで私たちは途方に暮れていた。そこにAIサーチが登場した。


Bing AI サーチを利用するようになって,AndoridのスマホにもBingアプリを入れた。するとそこには,ニュースが組み込まれていた。このBingニュースは,Yahooニュースのようなもので,登録サイトのニュースがアルゴリズムに従って,特に編集されることなく,大量に流れてくる。

そうして初めて,私は情報を自分で取捨選択することなく,オンライン上に流れている雑多な情報を目にすることになった。情報の氾濫を目の当たりにすることになった。そうして気が付いた。情報の氾濫は,情報の情緒的な取捨選択に拍車をかける

これほどまでに大量の情報がある場合,わたしたちはいちいちその情報の信頼性を吟味している暇はない。もう見た瞬間に,好みで,読み続ける情報を選択する。

そうして私たちは偏った情報の中に生きることになった。同調圧力は弱まっている。逆にセグレゲーションが進行している。世間のオタク分化だ。

それは必ずしも個性化ではない。似たような情緒の持ち主のグループの中で,情緒的な情報をデフォルメして,わかりやすく伝える者の声になびく集団が多数,細分化して生まれているのだ。

わかりやすかったのが,タッカー・カールソンとドン・レモン,そしてトランプだ。

個性化の伴わない多様化。それを受けて入れて自由な社会のなかでコンフリクトを甘受しつつ社会を形成するか,一人の天才にすべてを委ねて逸脱を恐れて生きるか。アメリカか,中国/ロシアか。

セグレゲーション社会か独裁か。いずれにせよ個性は尊重されない。個性的な,創造的な人間は,今も昔も,社会の趨勢の中で,さまようだけだ。



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