口座を閉じた

銀行口座を4つ,証券口座を1つ閉じた。解約とか閉鎖とかいろいろな呼び方があってわかりづらいが,要はもう使えないように,口座を閉じた。

一つは金利がよいというのでオンラインで開設したが,一度も入金も出金もしなかった口座だ。その金融機関はこの間に一度破綻の危機を経ている。

その口座を閉じようと以前思い立ったときは,手続きが煩雑で,挫折した。今回は,電話をすると丁寧に手続きを教えてくれたので,窓口まで行かずに閉じることができた。

その電話の最中に,他に口座はありませんか,と聞かれた。名前と生年月日からその銀行にある別の休眠口座が私のものではないかとフラグが立ったようだ。それで少し事情を聞いてみると,確かに私の大昔の口座だった。銀行名が数度変わっているので,同じ銀行だとは思っていなかったのだ。もう30年は使っていないと思う。数年前に,一度閉鎖したい旨,伝えていたようだが,そのことも忘れていた。その口座の解約手続きもしてくれた。全部,郵送で済んだ。

三つ目の口座は,たまたま出向いた支店のたまたま窓口で対応してくれた行員さんとの相性がよく,いろいろな金融商品について提案してくれて,とてもお世話になった口座だ。その行員さんが転勤になり,銀行が数度の合併で名前が変わり,その支店がなくなり,使わなくなった。それで5年ぐらい使っていなかったので,解約することにした。百数十円の残高があった。

解約をするのに,新しい通帳を発行してくれた。銀行名が変わっているからかもしれない。そして残高を現金で渡してくれた。半年ぶりぐらいに硬貨を手にした。通帳発行費用が私の残高を超えているのではないかと思ったが,親切な対応がうれしかった。

四つ目の口座は,地元の大銀行様だ。以前は窓口に行くと,20分ぐらいは待たされたのに,まったく待つことなく,窓口に進めた。奥に掛かっている額縁の絵がひしゃげていた。行員さんが全員マスクをしていて,気味悪かった。行員さんの対応はよかった。

その銀行の仲介で開いた証券口座を一緒に閉鎖した。その手続きも20分もしないで終わった。自分で電話して口座番号を言って最終的な閉鎖手続きをしてくださいということで渡してもらった口座番号が間違っていた。対応してくれた電話窓口の方が丁寧に調べて手続きしてくれた。


だんだん年をとり,身の回りのことの処理に困難を覚えるようになってきたので,身軽になることを考え,身辺整理をしている。それでもまだ10ぐらいは金融口座をもっている。

昔はもっと持っていた。クレジットカードや公共料金の決済や,複数ある収入源からの入金に,別の口座を作らないとならなかったためだった気がする。

口座の数は多かったけれども,お金はなかったので,どこにいくら入っていて,いつまでにどこにいくら入れなければならないかは把握していた。

オンライン・バンクも,エディも,コード決済(なんたらペイ)も,デビット・カードもない時代に生きていた。支払いは原則的に現金でしていた。口座振替に手数料を払うことにも,自分の口座から現金を下ろすのに手数料がとられることにも,さして違和感を持っていなかった。

今では,現金はまったく使わない。この夏のカリフォルニア滞在中も,弓の毛替えに行ったときに,現金で払っただけだ。それも,以前の滞在時に引き出した現金がまだあったので,それで済んだ。その他の支払いは,全部,アメリカの銀行のデビット・カードか日本のクレジットカードで済ませた。

その分,お金の出入りがわからくなっていて怖い。これも口座を減らす動機になっている。

身辺整理をしているのか,時代の変化に対応していくために必死でもがいているのか,ふと疑問に思った。



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