自分の存在が小さいことはわかっているし,私が何をしたって大状況がたいして変わらないこともわかっているが,事態が悪い方向に向かっているときに,自分にできることがあるのに何もしないでいるのは性に合わない。
自分を犠牲にしてもいいと思う大義は少ない。だから自分を犠牲にしようなどとは思わない。そんなお調子者にも偽善者にもなりたくない。セネカはネロに仕えて大金持ちになったが,それは自分に正直に,自分の哲学に正直に生きたからで,偽善者ではなかったからだ。
セネカは立派な人間ではなかったが,自分の哲学に誠実な人間で,その意味で立派な哲学者だった。
日が沈む場所では,日が昇る場所と同じことはできない。同じようにふるまうことはできない。それがわからない人とは分かり合えない。
みんなと仲良くはなれない。仲良くなれる人は少ない。友は一人いればいい。
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